天然か?合成サプリか?今回はこんなご質問を頂きました。(今日はメルマガと一部同じ内容です) >天然のビタミンCとサプリのビタミンCと >添加物(酸化防止剤)のビタミンCって >構造式は一緒ですよね? >体内に入ってからの作用は違うと思うのですが、 >どうなんでしょうか? >サプリでビタミンCを摂ってたら、 >野菜や果物を食べなくてもいいという訳ではないですよね? まずご質問の答えから。 はい。 天然のもの、合成のもの、添加物のビタミンCも 化学的には全く同じものなんです。 体内に入ってからの作用も、 化学構造が全く同じですのでまったく同じです。 ~~~~~~~~~~~~~~~ 「弊社のサプリメントは100%天然のみ使用!!」 「合成ではありません!」 「天然成分でなければ、栄養素は体内で仕事をしない」 なんて書いてあるサプリメントも見かけます。 まるで「合成品」は有害であったり、 まったく効果がないかのように 書いてあるホームページもありますね。 みなさんも 「合成されたものより、天然サプリの方がいい」 と思ってませんか? でもこれ”ウソ”なんです。 天然のものでも危険なものなんて沢山あります。 そこらへんに生えている草を 天然100%で安全だからと言って、 ハーブティーにしようなんて誰も思わないですよね。 中国産の食物だって色々問題が起きています。 天然のものでも、重金属に汚染されたものが輸入され、 問題になったこともありました。 天然だから安心という考えは、絶対に捨てて下さいね。 でもなんで 「天然のビタミンCサプリメント」って 値段が高いんでしょうね? 別に効果が高いからではありません。 サプリメントに全体に言えることですが、 「値段が高い=効果が高い」ということはありません。 それは手間がかかるからなんです。 例えば果物のアセロラから、 ビタミンCだけ抽出したりするのって大変そうですよね。 それにコストだってかかります。 それに私なら色々と気になることがいっぱい。 どこの国の果物を使ってるかとか、 しっかり不純物が取り除かれているのか、 内容成分のバラつきはないのか、 安心できる工場で作られているのかとか。 (信頼できるメーカーのものかが重要になってきますね) でも合成品だと、 もちろん中に何が入っているのか明確ですし、 有効成分量を誤魔化されることだってありません。 コストだって安い。 天然サプリメントに期待する点としては、 ビタミンC以外の物質が入っていたために、 結果的に体調が良くなったということはあるかもしれません。 でもそんな淡い期待するには、 天然ビタミンCの値段は高いように思います。 それに合成であろうと、ビタミンCは十分働きます。 医薬品だって合成品ですが、効果は立証済みですし、 長い使用経験から言って安全性にも問題ありません。 コストパフォーマンスを考えるなら、 合成品で十分でしょう。 さて質問の中で、 >サプリでビタミンCを摂ってたら、 >野菜や果物を食べなくてもいいという訳ではないですよね? とありました。 もちろん野菜や果物は、是非たくさん食べて下さい。 本物の果物から摂る栄養素にはかないません。 それはビタミンC量が多いからとか、 天然のものは働きが違うからとかではありません。 ビタミンCが発見されたのは1920年。 まだまだ歴史は浅いのです。 ほんものの野菜や果物には、 まだ発見されていない重要な栄養素がたくさん詰まっているはずなんです。 それにビタミンCだって、 単独で摂るよりも、 他のビタミンBやビタミンEなどと一緒にいた方が 働きがよりパワーアップするのです。 ちなみに、 ビタミンCの1日必要摂取量は100mg。 (キウイフルーツ1個のビタミンCは59mg) 食事からでも充分とることはできます。 でも美肌や抗酸化作用を期待する場合は、 1日1000mg程度必要とも言われています。 普段の食事も見直しつつ、 サプリメントを上手に利用したいですね。 *天然が良いとされているサプリメントもありますので、 これは?と思ったらご質問下さいね。 (全てにご返答はできないかもしれませんm(__)m) 2008.11.09 ここからは「追記」になります。 >「脂溶性ビタミンは、合成品でなく、天然品の方が、吸収されやすい」など、 >いろんな情報を聞くにつれ、ますます、どの商品がいいのか、 >わからなくなっています。 とのご質問を頂き、 そのご質問にお答えする日記を書いたのでその引用が以下です。 以前のメールマガジンに 「”ビタミンC”は”天然”も”合成”も 化学的には全く同じもので、全く変わらない!」 「天然にこだわると損をする!」なんてことを書きました。 天然の方が効果が高いと思っている方もいるのですが、 ビタミンCそのものの効果は全く変わりません。 体内に入ってからの作用も、 化学構造が全く同じですのでまったく同じです。 といい続けていましたが、 実はビタミンEについては少々話が異なります。。。 そうビタミンEは”天然”の方がいいのです。 天然のビタミンEは、合成と比較すると効力が1.5倍ほど高いのです。 ビタミンEを量産するためには合成することになりますが、 合成のビタミンEには、d(ディ)体と、 光学異性体といわれるl(エル)体が混合されています。 一方、天然のビタミンEはd(ディ)体のみなので、 成分の表示で見分けることができるのです。 なお、天然のビタミンEをさらに安定化するために、 天然ビタミンEをエステル誘導体に変えたものを、 天然型ビタミンEと呼んでいます。 《表示でわかる、合成と天然の違い》 合成ビタミンE → dl-トコフェロール、酢酸dl-トコフェロール 天然ビタミンE → d--トコフェロール 天然型ビタミンE → 酢酸d-トコフェロール 先程「天然のビタミンEは、合成と比較すると効力が1.5倍」と書きましたが、 合成、天然型、天然の生物活性の比較です↓ 生物活性:国際単位(IU)/mg 合 成 酢酸dl--トコフェロール 1.00 合 成 dl--トコフェロール 1.10 天然型 酢酸d--トコフェロール 1.36 天 然 d--トコフェロール 1.49 (参考サイト:エーザイ「ちょっとEおはなし」) ここまで合成と天然で効力の違いのデータがあるのは珍しいのですが、 さてでは、どのサプリメントメーカーのものを選べばいいのでしょうか? ざっと大手メーカーさんの商品を見てみましょう。 ★DHC「ビタミンE」(30粒/30日分、325円) 1日1粒あたり ビタミンE(d-α-トコフェロール):301.5mg ★DHC「天然ビタミンE〔ヒマワリ〕」(30粒/30日分、480円) 1日1粒あたり ビタミンE(d-α-トコフェロール):67mg ★大塚製薬「ネイチャーメイド ビタミンE400」(50粒/50日分、1,029円) 1日1粒あたり ビタミンE:268mg ★大塚製薬「ネイチャーメイド ビタミンE200」(60粒/60日分、714円) 1日1粒あたり ビタミンE:134mg ★小林製薬「ビタミンE」(60粒/30日分、577円) 1日2粒あたり d-α-トコフェロール:284mg ★ファンケル「ビタミンE ナチュラルミックス」(60粒/30日分、577円) 1日2粒あたり: ビタミンE(α-トコフェロールとして):150mg、 総トコフェロール:300mg(γ-トコフェロール:100mg)、 総トコトリエノール:3mg 表示は色々です。 どこか”合成”のビタミンEがあったら良かった(?)のですが、 どのメーカーの商品も”天然”でした。 確かにここまで「ビタミンEは”天然”が良い」とされているのもあると思います。 (医薬品の「ビタミンE」の方が、合成を使っているものが多いかも。) DHCの商品に「ビタミンE」と「天然ビタミンE〔ヒマワリ〕」の2種があるので、 「ビタミンE」は合成?と思ってしまいそうですが、こちらも天然。 「ビタミンE」は天然の植物油からビタミンEだけを抽出したもの。 「天然ビタミンE〔ヒマワリ〕」はビタミンEだけでなくリノール酸なども含まれているもの。 ビタミンEの量だけを比較すると、少ないですね。 ファンケル「ビタミンE ナチュラルミックス」は少々やっかいですが、 γ-トコフェロールはα-トコフェロールの1/10の活性とされ、 トコトリエノールはそれ以下とされていますので、 ビタミンE量にプラスαする必要がありますね。 「どのメーカーのサプリメントを選ぶのがいいか?」と聞かれると、 私は「逃げも隠れもできない、日本の大手メーカーのサプリメントがいいでしょう」と言っています。 だって何か問題があった時、逃げられては困ります。 また海外のものは、日本人に必要のない成分が入っている場合があるのでお勧めしません。 何かあった時にも、何かと連絡などが煩雑です。 上記メーカーの中で、ビタミンEのコストパフォーマンスがいいのは、 DHC「ビタミンE」>小林製薬「ビタミンE」>大塚製薬「ネイチャーメイド ビタミンE400」 となりますでしょうか? と言ってもメーカーへの好感度や信頼度、 入手しやすさなどもあると思います。 価格だけにこだわらず選んで下さいね。 2010.11.12 |